産婦人科医が書く妊娠しやすい体作り

東京の病院で産婦人科医をしているあらいきょうこと申します。不妊治療を受ける前に知っておきたい&改善しておきたい不妊の原因を解消法とともに紹介していきます。元気な赤ちゃんを授かる身体になるために、まずはあなた自身が元気で幸せになってください。

ストレスによる身体機能の低下

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ストレス状態が長く続くと健康維持や妊活に必要なホルモンが足りなくなる


私たちの身体にはたくさんの防衛本能があります。そのひとつが。副腎というさまざまなホルモンの分泌を管理する器官。

生活のなかでストレスを感じると、副腎は 「副腎皮質ホルモン」を大量に分泌し、健康を守ろうと頑張ってくれます。

でも、この頑張り・状態が長く続くと、今度は副腎自体が疲れて機能が低下。ホルモンの分泌量が著しく減少してしまいます。

加えて、本来なら卵巣や精巣に行くはずだった女性&男性ホルモンの材料が、ストレス対策で大量に消費されてしまいホルモンバランスが崩壊、不妊につながる症状をはじめ、身体中のあらゆる不調が起きやすくなってしまうのです。

 「不妊治療をやめたら妊娠した」という人がいるのも、。妊活‘ストレスが身体にかけていた負担の大きさのあらわれと言えると思います。

ストレスが原因で起こる問題

・排卵障害や卵子の質の悪化
・セックスレスや無気力になりがち
・体外受精でも妊娠しにくい
・勃起せず性交できない、射精できない
・精子の質と量が不十分になりやすい


副腎の疲労具合をチェック

ひとつでも当てはまるものがある人は、副腎がお疲れ状態の可能性大。
休息をとってリフレッシュしたり、自分を責めていないかなどの心の持ち方を見直してみてください。

・なかなか寝つけない
・寝ている途中で目が覚める
・朝起きたときに疲労感がある
・以前楽しめたことが楽しいと思えない


ストレスを解消するには


・心のスイッチを上手に切り替える
・ヨガの呼吸で気分転換を図る
・アロマの香りで心を穏やかにする

まず大切なのぱ緊張どリラックスの切り替え。良くないのはストレスやネガティブな感情ではなく、心のバランスが一方に偏ることにあるのです。

仕事や生活のONとOFFのように、一定のリズムで心のスイッチを切り替える適応力を身につけましょう。また、ヨガの呼吸法やアロマの香りを使って心を落ち着かせてみましょう。

卵子の老化と数の減少

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「妊娠適齢期」がある理由のひとつ卵子の老化と数の減少

「35歳までが妊娠適齢期」と言われる理由のひとつが卵子の数の減少です。30代後半を過ぎると卵子の残存数はぐっと少なくなり、卵巣の機能も徐々に低下していきます。

そこに追い打ちをかけるのが、36歳以降からはじまると言われている。卵子の老化。

卵子自体の質が劣化すると、まず妊娠に到達するまでのエネルギーが不足しがちになります。

細胞内にある核の慯が増えることで遺伝子情報が変異しやすくなるため、流産や障がいを持つ子どもが生まれるリスクも高くなってしまいます。

卵子の老化の予兆は子宮や生理の状態以外に、体調にも現れます。「徹夜できない」 「身休に無理か効かなくなった≒お酒が弱くなった」「肌の調子が悪くなった」など、35歳以上でこれらの自覚症状に当てはまる人は注意してください。

卵子の老化や減少で起こる問題

・排卵される卵子の数が減る
・排卵、受精、着床が困難
・卵胞が育ちにくい
・空胞卵や変性卵になりやすい
・流産や障害のリスクが高まる
など

男性不妊の疑いがある

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不妊の原因の半分は男性側のトラブル

「子どもができないのは私のせい……」と思い込んでしまう女性が見落としがちなのが、男性側に原因があるという可能性です。

すなわち「男性不妊」の問題です。男性不妊の割合は約半分。女性の身体に問題がなくても、精子の状態が良くなければ妊娠は難しくなります。

女性側と同様、男性の不妊因子も適正な治療を受ければ妊娠は不可能ではありません。

方法次第では精子の量を4~5倍に増やすこともでき男性不妊は改善されるし、無精子症と診断された場合でも不妊治療などで妊娠に至ったケースは数多く存在します。

デリケートな問題だから相手に切り出しにくい……という大もいると思いますが、子どもをつくることは夫婦2人の共同作業。

相手の理解と協力なくしては成功率も下がってしまいますし、あまりにも時問をかけすぎると年齢的なはードルで子どもが産みにくい身体になってしまいます。

とはいえ、焦りは禁物です。過度のプレッシャーやストレスは、男性不妊の原因でもあるのです。不規則な生活習慣も不妊につながるので、気をつけてあげるようにしましょう。


男性不妊の症状


・セックスができない

・受精できない

・妊娠に必要な精子を取り出せない

など


男性不妊の特徴は

・太っている
→精子が少なかったり無精子症のリスクが高い

・喫煙者である
→精子数や精子の動きの低下を招きやすい

・揚げ物やファーストフードが好き
→トランス脂肪酸の影響で精子が弱りやすい

・熱めのお風呂やサウナが好き

→股間を温めることで精巣や精子の機能が低下

予防のために気をつけたいのが温度。精巣や精子は熱に弱く、体温と同じ37°C前後だと機能が半減すると言われています。適温は32~34°Cなので温めすぎないようにしましょう。


男性不妊の原因は

ED(勃起障害)

挿入できるほど勃起しない障害のこと。若い人の場合の多くはストレスや緊張などが原因ですが、年配の人は加齢や糖尿病などの疾患が元で起こることも。

精子の数が少ない(乏精子症)

自然妊娠に必要な精子の濃度は1㈲あたり4000万個。これに対して濃度が1500万個に満たない状態。運動し
ている精子が40%以下になる精子無力症を併発することもあります。

射精できない(射精障害)

勃起はするものの、正常な射精が行えない。女性の膣内で射精できない「膣内射精障害」や。精液が膀胱に逆流してしまう「逆行性射精障害」の場合も。早漏や遅漏もこれに含まれます。

精液中に精子がいない(無精子症)

100人に1人程度の割合で見られる、精液中に精子が全く存在しない症状のこと。
精管や精巣上体の詰まりが原因の閉塞性無精子症と、精巣自体に問題がある非閉塞性無精子症」にわけられています。