産婦人科医が書く妊娠しやすい体作り

東京の病院で産婦人科医をしているあらいきょうこと申します。不妊治療を受ける前に知っておきたい&改善しておきたい不妊の原因を解消法とともに紹介していきます。元気な赤ちゃんを授かる身体になるために、まずはあなた自身が元気で幸せになってください。

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不妊の原因の半分は男性側のトラブル

「子どもができないのは私のせい……」と思い込んでしまう女性が見落としがちなのが、男性側に原因があるという可能性です。

すなわち「男性不妊」の問題です。男性不妊の割合は約半分。女性の身体に問題がなくても、精子の状態が良くなければ妊娠は難しくなります。

女性側と同様、男性の不妊因子も適正な治療を受ければ妊娠は不可能ではありません。

方法次第では精子の量を4~5倍に増やすこともでき男性不妊は改善されるし、無精子症と診断された場合でも不妊治療などで妊娠に至ったケースは数多く存在します。

デリケートな問題だから相手に切り出しにくい……という大もいると思いますが、子どもをつくることは夫婦2人の共同作業。

相手の理解と協力なくしては成功率も下がってしまいますし、あまりにも時問をかけすぎると年齢的なはードルで子どもが産みにくい身体になってしまいます。

とはいえ、焦りは禁物です。過度のプレッシャーやストレスは、男性不妊の原因でもあるのです。不規則な生活習慣も不妊につながるので、気をつけてあげるようにしましょう。


男性不妊の症状


・セックスができない

・受精できない

・妊娠に必要な精子を取り出せない

など


男性不妊の特徴は

・太っている
→精子が少なかったり無精子症のリスクが高い

・喫煙者である
→精子数や精子の動きの低下を招きやすい

・揚げ物やファーストフードが好き
→トランス脂肪酸の影響で精子が弱りやすい

・熱めのお風呂やサウナが好き

→股間を温めることで精巣や精子の機能が低下

男性不妊の予防のために気をつけたいのが温度。精巣や精子は熱に弱く、体温と同じ37°C前後だと機能が半減すると言われています。適温は32~34°Cなので温めすぎないようにしましょう。


男性不妊の原因は

ED(勃起障害)

挿入できるほど勃起しない障害のこと。若い人の場合の多くはストレスや緊張などが原因ですが、年配の人は加齢や糖尿病などの疾患が元で起こることも。

精子の数が少ない(乏精子症)

自然妊娠に必要な精子の濃度は1㈲あたり4000万個。これに対して濃度が1500万個に満たない状態。運動し
ている精子が40%以下になる精子無力症を併発することもあります。

射精できない(射精障害)

勃起はするものの、正常な射精が行えない。女性の膣内で射精できない「膣内射精障害」や。精液が膀胱に逆流してしまう「逆行性射精障害」の場合も。早漏や遅漏もこれに含まれます。

精液中に精子がいない(無精子症)

100人に1人程度の割合で見られる、精液中に精子が全く存在しない症状のこと。
精管や精巣上体の詰まりが原因の閉塞性無精子症と、精巣自体に問題がある非閉塞性無精子症」にわけられています。

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女性側の不妊の原因で多いのが卵巣・卵管・子宮のトラブル


検診などでは見つからないので要注意。同時に気をつけたいのが卵管の問題。卵子や精子の通り道である卵管が詰まったり狭まったりしても、受精や排卵がしにくくなります。

左右2本の管のうち片方が通っていれば妊娠は可能ですが、治療で解消できる場合もあるので様子を知っておいたほうが良いと思います。

そして子宮の問題。着床の邪魔になる子宮筋腫などの病気のほか、見過ごせないのは子宮内膜の状態。この厚みが足りないと着床はもちろん、受精卵の成長もうまくいきにくくなります。

ここで目安にしたいのが毎月の生理。子宮の不調は経血に現れることが多いので、異変を感じたら早めに婦人科を受診しましょう。

病気の影響で起こる問題

・うまく排卵できない

・卵子が十分に育だない

・精子が卵子に届きにくい

・受精卵が着床しにくい

など


注意したい生理の症状

・経血の量が多い
→子宮筋腫、もしくは内膜症の疑い

・月経痛、排卵痛、性交痛、排便痛がある
→子宮内膜症、もしくは骨盤内感染症の疑い

・生理の周期が不安定、不正出血がある
 →卵巣ホルモンが乱れている可能性あり

そのほか、重度の生理痛や吐き気や嘔吐、下痢が伴う場合も子宮内膜症の疑いがあります。

生理の時期に関係なく、腹痛や腰痛が激しい場合も何らかの不調のあらわれなのでご注意を。


女性側に起こりうる不妊のトラブル

子宮内膜症
子宮の内側にできるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう病気。卵管や卵巣の近くにできると、正常に排卵ができなくなり妊娠が困難になることも。

激しい生理痛も症状のひとつなので、思い当たる人は注意が必要。

子宮筋腫
子宮にできる良性腫瘍。主な症状は生理時の出血の増加、下腹部や腰の痛み、ひん尿、便秘など。大きなコプができていたり筋腫の数が多いと、受精卵の着床が困難になることも。

卵巣のう腫
卵巣の内部に分泌液や粘液、脂肪などがたまってできる良性腫瘍。子宮内膜症が原因でできることも。初期の自覚症状はありませんが、次第に痛みを感じるようになります。

子宮頸がん
子宮の入り口である子宮頚部にできるがんのこと。原因のひとつ「ヒトパピローマウイルス」はセックスで移るのでセックス経験のある女性なら誰でもかかる可能性があります。

排卵障害
卵胞が十分に育だなかったり、卵子が排出できない状態のこと。年齢的な要因やストレス、過度のダイエット、性感染症、子宮内膜症なども一因と言われています。


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