産婦人科医が書く妊娠しやすい体作り

東京の病院で産婦人科医をしているあらいきょうこと申します。不妊治療を受ける前に知っておきたい&改善しておきたい不妊の原因を解消法とともに紹介していきます。元気な赤ちゃんを授かる身体になるために、まずはあなた自身が元気で幸せになってください。

原因

男性も不妊の検査を受けることがとても大切

不妊の原因は、女性因子による不妊が40パーセント強、男性因子による不妊が40パーセント弱、両方もしくは原因不明不妊が20パーセントです。

ですから、不妊治療を始めるにあたっては、なるべく早い時期に男性も不妊の検査を受けたほうがいいです。

不妊において男性が受ける検査は、精液検査です。精液の状態を様々な角度から調べます。
これによって、精子の数が少ない乏精子症、精子の運動率が低い精子無力症、精子の奇形率の高さなどがわかります。

その程度によって、自然妊娠が可能か、男性に対する治療が必要か、あるいは体外受精や顕微授精を視野に入れるべきかなどが検討されます。

もし男性側に不妊の原因が見つかれば、治療の方針もはっきりしますし、女性も不必要な検査を受けずにすみます。

また、精液検査で「異常なし」であれば、その後、男性のほうにしばらく出番はありません。不妊症の検査、治療は、おもに女性のほうが受けることになりますので、そのことを理解して、カップルが協力しあい、男性は女性をサポートする姿勢が常に必要になるわけです。

男性もきちんと検査を受けることはその第一歩であり、体外インフラの重要ポイントだといえるでしょう。

不妊症につながる病気がある

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女性側の不妊の原因で多いのが卵巣・卵管・子宮のトラブル


検診などでは見つからないので要注意。同時に気をつけたいのが卵管の問題。卵子や精子の通り道である卵管が詰まったり狭まったりしても、受精や排卵がしにくくなります。

左右2本の管のうち片方が通っていれば妊娠は可能ですが、治療で解消できる場合もあるので様子を知っておいたほうが良いと思います。

そして子宮の問題。着床の邪魔になる子宮筋腫などの病気のほか、見過ごせないのは子宮内膜の状態。この厚みが足りないと着床はもちろん、受精卵の成長もうまくいきにくくなります。

ここで目安にしたいのが毎月の生理。子宮の不調は経血に現れることが多いので、異変を感じたら早めに婦人科を受診しましょう。

病気の影響で起こる問題

・うまく排卵できない

・卵子が十分に育だない

・精子が卵子に届きにくい

・受精卵が着床しにくい

など


注意したい生理の症状

・経血の量が多い
→子宮筋腫、もしくは内膜症の疑い

・月経痛、排卵痛、性交痛、排便痛がある
→子宮内膜症、もしくは骨盤内感染症の疑い

・生理の周期が不安定、不正出血がある
 →卵巣ホルモンが乱れている可能性あり

そのほか、重度の生理痛や吐き気や嘔吐、下痢が伴う場合も子宮内膜症の疑いがあります。

生理の時期に関係なく、腹痛や腰痛が激しい場合も何らかの不調のあらわれなのでご注意を。


女性側に起こりうる不妊のトラブル

子宮内膜症
子宮の内側にできるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう病気。卵管や卵巣の近くにできると、正常に排卵ができなくなり妊娠が困難になることも。

激しい生理痛も症状のひとつなので、思い当たる人は注意が必要。

子宮筋腫
子宮にできる良性腫瘍。主な症状は生理時の出血の増加、下腹部や腰の痛み、ひん尿、便秘など。大きなコプができていたり筋腫の数が多いと、受精卵の着床が困難になることも。

卵巣のう腫
卵巣の内部に分泌液や粘液、脂肪などがたまってできる良性腫瘍。子宮内膜症が原因でできることも。初期の自覚症状はありませんが、次第に痛みを感じるようになります。

子宮頸がん
子宮の入り口である子宮頚部にできるがんのこと。原因のひとつ「ヒトパピローマウイルス」はセックスで移るのでセックス経験のある女性なら誰でもかかる可能性があります。

排卵障害
卵胞が十分に育だなかったり、卵子が排出できない状態のこと。年齢的な要因やストレス、過度のダイエット、性感染症、子宮内膜症なども一因と言われています。