産婦人科医が書く妊娠しやすい体作り

東京の病院で産婦人科医をしているあらいきょうこと申します。不妊治療を受ける前に知っておきたい&改善しておきたい不妊の原因を解消法とともに紹介していきます。元気な赤ちゃんを授かる身体になるために、まずはあなた自身が元気で幸せになってください。

Tag:産婦人科医監修

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不妊の原因の半分は男性側のトラブル

「子どもができないのは私のせい……」と思い込んでしまう女性が見落としがちなのが、男性側に原因があるという可能性です。

すなわち「男性不妊」の問題です。男性不妊の割合は約半分。女性の身体に問題がなくても、精子の状態が良くなければ妊娠は難しくなります。

女性側と同様、男性の不妊因子も適正な治療を受ければ妊娠は不可能ではありません。

方法次第では精子の量を4~5倍に増やすこともでき男性不妊は改善されるし、無精子症と診断された場合でも不妊治療などで妊娠に至ったケースは数多く存在します。

デリケートな問題だから相手に切り出しにくい……という大もいると思いますが、子どもをつくることは夫婦2人の共同作業。

相手の理解と協力なくしては成功率も下がってしまいますし、あまりにも時問をかけすぎると年齢的なはードルで子どもが産みにくい身体になってしまいます。

とはいえ、焦りは禁物です。過度のプレッシャーやストレスは、男性不妊の原因でもあるのです。不規則な生活習慣も不妊につながるので、気をつけてあげるようにしましょう。

妊活体験談

不妊治療先の担当医から「何か精子に良い事しました?」と言われました(笑) 結婚5年目。男性不妊と私の排卵障害で不妊治療中でした。 精子検査の結果、不妊治療の担当医から「ご主人の精子では自然妊娠は諦めてください」と告げられ、主人も私もかなり落ち込みました ...
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男性不妊の症状


・セックスができない

・受精できない

・妊娠に必要な精子を取り出せない

など


男性不妊の特徴は

・太っている
→精子が少なかったり無精子症のリスクが高い

・喫煙者である
→精子数や精子の動きの低下を招きやすい

・揚げ物やファーストフードが好き
→トランス脂肪酸の影響で精子が弱りやすい

・熱めのお風呂やサウナが好き

→股間を温めることで精巣や精子の機能が低下

男性不妊の予防のために気をつけたいのが温度。精巣や精子は熱に弱く、体温と同じ37°C前後だと機能が半減すると言われています。適温は32~34°Cなので温めすぎないようにしましょう。


男性不妊の原因は

ED(勃起障害)

挿入できるほど勃起しない障害のこと。若い人の場合の多くはストレスや緊張などが原因ですが、年配の人は加齢や糖尿病などの疾患が元で起こることも。

精子の数が少ない(乏精子症)

自然妊娠に必要な精子の濃度は1㈲あたり4000万個。これに対して濃度が1500万個に満たない状態。運動し
ている精子が40%以下になる精子無力症を併発することもあります。

射精できない(射精障害)

勃起はするものの、正常な射精が行えない。女性の膣内で射精できない「膣内射精障害」や。精液が膀胱に逆流してしまう「逆行性射精障害」の場合も。早漏や遅漏もこれに含まれます。

精液中に精子がいない(無精子症)

100人に1人程度の割合で見られる、精液中に精子が全く存在しない症状のこと。
精管や精巣上体の詰まりが原因の閉塞性無精子症と、精巣自体に問題がある非閉塞性無精子症」にわけられています。

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不妊治療を受ける前に知っておきたい&改善しておきたい不妊の原因を解消法とともに紹介していきます。元気な赤ちゃんを授かる身体になるために、まずはあなた自身が元気で幸せになってください。

妊活体験談

生理が来なくて検査薬で調べたら陽性反応。 その月は頑張ってHしたけど8回くらいでしたが、その頃は、仕事を時短にしてもらい、鍼灸に2回行き妊活力をアップしてもらい、子宝神社にも行ってお参りもしてました ...
>>この妊活体験談の続きはこちら

不妊症につながる病気がある


妊活をはじめるうえで最初に知っておきたいのが、自然妊娠できる身体かどうか。

もし排卵の可否や卵管の詰まり、子宮内膜症といった妊娠を妨げる病気があれば治療を受けておきましよう。

症状によっては自然妊娠できる可能性も見えてきます。

>>不妊症につながる病気はこちら


男性不妊の疑いがある

妊活とは2人で取り組む問題。多くの場合は女性側だけが「私のせい」と自分を責めてしまいがちですが、不妊の要因の半分は男性側にあります。

協力してもらうではなくともに力を合わせていく”ためにも、パートナーの妊娠力を知っておく必要があるのです。

>>男性不妊の特徴はこちら


卵子の老化と数の減少

年齢が高まるにつれて深刻になる質の低下とは、卵子を構成する細胞の衰えのこと。

残り少ない卵子が劣化してしまう…と聞くと絶望的な状況に思えますが、細胞の持つ力を活性化すれば卵子の若返りや数を増やすことは可能なのです。

>>卵子の老化はこちら


ストレスによる身体機能の低下

妊活に過度のプレッシャーやストレスを抱えがちな人に起こりやすい要因。

心だけの問題と捉えられがちですが、ホルモンバランスの乱れやEDといった身体の不調につながるので注意が必要です。

心当たりがある人は自分を癒し、大切にする習慣を意識してください。

>>ストレスについて詳しくはこちら


セックスが充実していない

愛のあるセックスをたくさんする。これが原点であり、いちばんの妊活法。

「排卵日だけ≒体外授精で十分」という人もいますが、日常的にする習慣をつけたほうが妊娠しやすい体質に近づけるのです。

夫婦の気持ちをひとつにするためにもオススメですよ。

>>セックスの問題についてはこちら

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太りすぎもやせすぎも危険!適正な体重が妊娠・出産に大切な理由


リスクのない妊活中こそ体重管理を行うチャンス

見た目を気にするあまり、過激な減量をすると月経が止まり、排卵することができない体に!

「身長と体重で算出する値をBMIといい、成人の体格指数として国際的標準指標になっています。

海外ではBMI 30以上になると排卵障害が多いことがわかっていますが、日本人はBMI 25以上で排卵障害が多く確認されています。

太りすぎると、妊娠しても妊娠糖尿病などの症状が出やすく、また出産時もリスクが伴いますので、妊活中に減量することをおすすめします。

さらに、やせすぎも太りすぎも、生まれてくる赤ちゃんにリスクが高まることも報告されています。

妊活中の今だからこそできる、体重管理で健やかな赤ちゃんを。妊娠しやすい体重とは

妊活体験談

ダイエットをしたせいか生理がバラバラで2ヶ月に2回来たり、こなかったりしていました。 病院に行く勇気もなく何とか自然に治らないかと悩んでいました。 子どもも早くほしいので、主人に相談したところ ...
>>この妊活体験談の続きはこちら

BMI 25以上の人は体重を5%落とすだけで妊娠力がアップする

一般的なBMIの平均値は22.日本ではBMI25以上の人から妊娠率が低下しているので注意が必要です。

さらに太りすぎは内臓脂肪が増加するだけでなく、細胞そのものが肥大化。

増殖する悪玉菌によって排卵しにくいだけでなく、妊娠しても出産リスクが高まります。

体重を5%減らすだけで、排卵障害が治ることもあるので、健康的なダイエットを心がけてください。

体重のコントロールとともに筋量を増やす運動で元気な赤ちゃんを産んで育てる

妊娠を望むなら、どんな体重の人でも筋量をアップして代謝を促すことが大切です。


1日の摂取力ロリーと一般的な食品のカロリーを知っておくことが重要

成人女性が摂取する1日のカロリーの目安は1800~2000kal。

妊娠を望むなら肉も魚も野菜もバランスよく食べること。ダイエットのために野菜だけといった偏った食事は、必ずリバウンドが起こるので絶対にNGです。

よく食べるもののカロリー量を覚えておくなど、1日に食べる量と栄養バランスを考えてベスト体重を維持しましょう。

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厚労省が、「妊娠を考えている女性は1日400μgの葉酸を摂るべき」と勧めていることもあり、一般の女性にも「葉酸って大事なんでしよ」という認識が広がりつつあります。

妊活体験談

葉酸とルイスボスティーを飲んでいました。 それから4ヶ月ぐらい医師の指導のもとタイミング法をしていましたが授からず、医師から人工授精AIHを勧められトライすることに ...
>>この妊活体験談の続きはこちら

赤ちゃんの脳や神経の成長に欠かせない栄養素であり、これが不足すると神経管閉鎖障害などの先天性異常の原因になりかねません。しかも、一番大事な脳の神経は妊娠6週目までにほとんど完成してしまうのです。

オーストラリアなど、葉酸不足による赤ちゃんの発育不良が問題となっていた国々では、小麦粉に葉酸を添加することが義務付けられたほど。

妊娠6週目というのは気付くかどうかというギリギリの週数ですから、妊娠が発覚してから摂るのではまったく意味がありません。妊活に入ると同時にしっかり摂って、ペースを作っておきましょう。





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不妊の原因は、女性因子による不妊が40パーセント強、男性因子による不妊が40パーセント弱、両方もしくは原因不明不妊が20パーセントです。

ですから、不妊治療を始めるにあたっては、なるべく早い時期に男性も不妊の検査を受けたほうがいいです。

不妊において男性が受ける検査は、精液検査です。精液の状態を様々な角度から調べます。
これによって、精子の数が少ない乏精子症、精子の運動率が低い精子無力症、精子の奇形率の高さなどがわかります。

その程度によって、自然妊娠が可能か、男性に対する治療が必要か、あるいは体外受精や顕微授精を視野に入れるべきかなどが検討されます。

もし男性側に不妊の原因が見つかれば、治療の方針もはっきりしますし、女性も不必要な検査を受けずにすみます。

また、精液検査で「異常なし」であれば、その後、男性のほうにしばらく出番はありません。不妊症の検査、治療は、おもに女性のほうが受けることになりますので、そのことを理解して、カップルが協力しあい、男性は女性をサポートする姿勢が常に必要になるわけです。

男性もきちんと検査を受けることはその第一歩であり、体外インフラの重要ポイントだといえるでしょう。

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